私たちの身のまわりのどこを見てもプラスチックが目につくように、今やプラスチックは日常生活と切り離して考えられないほど普及しています。
もちろん食器としても、様々な種類のプラスチックから、色々な製品が作られています。プラスチック製食器は、家庭で使う赤ちゃん用をはじめ、ホテル・レストラン用、また、学校・病院・福祉施設・職場などの給食用に最適の食器として、広く親しまれています。
陶磁器に比べ丈夫で割れにくく、色や絵柄も美しく多彩で、軽くて大量に扱う場合に作業性が良いなどの特長を持つプラスチック製食器は、特に集団給食における最適の食器として、楽しい食事の名脇役を演じています。
プラスチックは、「大きな分子量を有する有機化合物からなり、通常最終状態は固体であるが、それに至る途中に熱や圧力などの作用で流動化し、自由に成形できる一群の材料」を総称した名称です。
つまり、「可塑性を有する物質」という意味をもっています。今日使われているプラスチックは約80種類以上あり、家庭用品品質表示法に指定されている樹脂だけでも22種類あります。プラスチックは大きく分類すると2種類。「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に分類されます。
熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まる性質を持ち、一度硬くなっても熱を加えると再び柔らかくなる性質を持ったプラスチックです。「チョコレートタイプ」とも呼ばれています。主なものは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどです。
熱を加えると硬化し、いったん硬化した後は熱を加えても再び柔らかくならない性質を持ったプラスチックです。「ビスケットタイプ」とも呼ばれています。主なものは、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などです。
わが国におけるプラスチック製食器の安全性は、食品衛生法により規格基準が設けられ、その安全性が確保(保証)されています。食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的として1947年から定められています。
プラスチック材料に関しては、1966年から溶出規制が始まりました。その後順次、材質別の規制が告示され、1982年に、規格基準が整理・体系立てされ、「厚生省告示第20号」として一新されました。その後、1994年1月に個別規定としてポリカーボネート及びポリビニルアルコールの材質を追加した「厚生省告示第18号」が告示され、更に2016年6月8日に、一部改正された「厚生労働省告示第245号」が告示され、現在では一般規格(その他の材質)と14の対象樹脂について個別規格が定められています。2018年6月13日に食品衛生法等の一部を改正する法律が交付により、安全性を評価した物質のみ使用可能とするポジティブリスト制度が導入され、2020年6月から施行されています。
当社では、厚生労働省の登録検査機関である一般財団法人 化学研究評価機構高分子試験・評価センター等の公的機関で、この食品衛生法上の衛生試験を、ISO 9001審査登録並びに新JISマーク表示制度に基づくサンプリング方法で、定期的に実施しています。
『お客様のためはもとより、地球環境まで視野に入れた、より安全で安心な製品とサービスを、スピーディーに社会に供給します。』これが当社の品質方針。品質保証に対する企業の自己責任の厳格化や品質規格のグローバル化を踏まえ、国際的な品質マネジメントシステムISO 9001審査登録による企業品質の継続的改善体制を構築しています。
ISOは「国際標準化機構(International Organization for Standardization)」の略称で、製品の国際標準化、規格化を目的とした機関として知られています。ISO 9001は、品質保証を通じて顧客満足向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現する要求事項を定めた国際規格です。この規格に基づいて、認定をうけた審査登録機関が、組織の品質マネジメントシステムを審査し、要求事項を満たしていると認められれば、適合組織として登録されます。この下でも、食品衛生法など関連の安全衛生規格基準適合試験を実施し、製品の安全と安心を重視しています。
JISは、日本産業規格の英語訳(Japanese Industrial Standards)の頭文字の略号で、産業標準化法に基づいて、国が定めた一定の規格を満たす製品が認定され、JISマークの表示が出来ます。当社はプラスチック製食器類の日本工業規格(現 日本産業規格)JIS S 2029制定と同時に、表示許可工場を申請認可され、1964年以降、製品品質保証の社内規格基準としてきました。この政府機関による工場認定から民間第3者機関による製品認証へ新たに改編された新JISマーク表示制度(移行期限2008年9月末日)に基づく、製品検査と工場審査による認証(認証番号:JQ0508166)も取得しています。この日本産業規格認証工場として、製品そのものの品質と品質管理体制を、更に確実なものとし、日本基準のより安全で安心な製品の供給に努めています。
2020年、厚生労働省の告示により、食品用プラスチック製品に使用を認める物質をリスト化したポジティブリスト制度が施行されました。経過措置として、2025年5月31日までは、施工前から製造、流通していた製品は、ポジティブリスト適合とみなされます。当社の製品は、ポジティブリストに適合した原材料を使用しています。
全国のプラスチック日用品製造業の代表組織として、日本プラスチック日用品工業組合が、1973年に中小企業団体組織法に基づき全国を地域とする工業組合として認可され発足しました。そして、プラスチック日用品・器具に係わる品質、衛生面の安全性を確保するため1975年に製品の衛生面における自主規格基準(衛検済)を設定しました。その後、一般消費者がプラスチック日用品・器具を安心して使用できるよう品質に係わる自主規格も設けて、経済産業省・厚生労働省の指導のもとに組合員に遵守徹底を計っています。
この自主規格基準では、食品衛生法の規格基準よりも、蒸発残留物の溶出試験規制値では2割厳しくし、試験項目によっては材質個々に厳しい基準値を定め、個別規格の定めのない材質に対しても独自の基準を定めています。
当社もこの工業組合に属し、この自主規格基準に適合する製品を製造しています。
「PL法」とはProduct Liabilityの略で製造物責任法の意味です。製造物責任制度とは、製品の欠陥により生命、身体または財産に損害を被った拡大損害に対して被害者は製造業者などに損害賠償を求めることができるという被害者保護の法律です。
製品の欠陥の有無は、いろいろな事情を総合的に考慮してその製造物が通常必要な安全性を欠いていたかどうかにより判断されます。万が一にも、常識では考えられないような誤使用をして事故が起きたときには、製品に欠陥は無かったと判断されることもあります。使用する際には、製品の表示や「取扱説明書」をよく読み理解して誤使用や目的外の使用を避けることが大切です。
当社では、製品を安全にかつ長期間美しくご使用いただくために、製品材質ごとに「取扱説明書」を作成し製品と同梱しております。事前に必ずご一読いただき、この説明書に従って適正にお使いください。また、厳格な品質保証体制のもと万全を期して製造していますが、製造物責任制度に基づくPL保険に加入し、ご使用時の万一の時の安心に備えています。